R31型 7代目スカイライン

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ハイソな7代目は インテリアも 一段とゴージャス

キャッチコピーは、「都市工学です」、「7th SKYLINE」。
当時の流行は「ハイソカー」。ライバルは、ソアラやマークⅡなどの豪華装備をもったクルマとなり、スカイラインもゴージャス路線を歩み始めた。 HICASやセラミックターボも7thから

1986年8月に登場したスカイラインは、新しいボディを纏い、セダンに加え、初めて4ドアハードトップがラインアップされ、エンジンも新開発のRB20系ストレート6を搭載しています。6気筒エンジンにDOHC4バルブを復活させ、GTの称号を与えられた7thは、スポーティなRSやRSターボに加え、よりパワフルなラインアップを揃えています。

1986年1月にワゴンを投入し、5月には2ドアクーペGTSを送り込み、幅広いニーズに応えています。1987年夏にはマイナーチェンジを行い、エンジンのパワーアップを図ると共に、4輪操舵のHICASやラック&ピニオン式パワーステアリングを採用し、優れた操縦性能を実現しています。

主だった世界初の先進技術(R31 スカイライン発表当時)

世界初の電子制御4輪操舵システム「HICAS」

1985年、R31スカイラインで世界で初めて量産車に搭載された電子制御4輪操舵システムです 。カタログでも”世界初”と強調された革新的装備で、一定速度(30km/h以上)で走行中に後輪をステアリング角に応じて最大0.5度操舵し、コーナリング安定性を向上させました。

世界初の車速感応式「GTオートスポイラー」

R31スカイライン GTS-Rに搭載されたこの装置は、時速70km以上で自動的に展開、50km以下で収納される電子制御式アンダースポイラー。
市販車として世界初の「車速感応式電子制御エアロ」としてカタログにも明記されました 。

世界初の「カードエントリーシステム」


車にカードを携帯しているだけでドアの施錠・解錠が可能なシステム。現行のインテリジェントキーの原型となる装備で、R31スカイラインで世界初採用されました 。

ダイレクトイグニッションシステム(世界初)採用

ディストリビューターを廃し、点火精度向上が狙い。

車格(R31スカイライン前型式との比較)

基本的には同じミドルクラス(5ナンバー中心)ですが、前型式R30からR31ではサイズや装備がやや大型化・高級化しています。以下、車格に関する主なポイントです。

全長・全幅の拡大

R31では全長が約65〜90mm長く、全幅も最大で1,695mmとなり、3ナンバー枠のモデルが登場(GTS系)。
当時の排ガス規制や安全基準対応、室内スペース拡大が背景。

装備の高級化

R30ではアナログメーター主体だったが、R31はデジタルメーターや電子制御サスペンション、HICASなど先進装備を搭載。
内装も防音性や素材感が向上し、より高級志向に

車重の増加

装備充実・ボディ剛性強化により、R31は全体的に約40〜80kg重くなっています。

パフォーマンス方向の明確化

R30はターボ追加でスポーツ色が強まったが、R31ではさらにGTS、GTS-Rなど専用スポーツモデルを設定し、サイズアップと同時に明確なスポーツ/ラグジュアリー分化が進む。

R31スカイライン搭載エンジン

R31スカイライン(1985〜1990年)のエンジンは、日産が新世代として投入したRB型エンジンのデビュー作を含む、多彩なラインナップが特徴です。
以下、代表的なエンジンとその特徴を整理します。

RB型直列6気筒エンジン(世界初技術を含む)

R31で初登場したRB型は、日産の名機として後のR32〜R34 GT-Rまで受け継がれるベースになりました。

型式排気量特徴
RB20E2.0L SOHCシンプルで扱いやすい燃費重視仕様。
RB20DE2.0L DOHC NA日産初の量産型直6DOHC。可変吸気システム「NICS」採用で低中速トルクと高回転パワーを両立。
RB20DET2.0L DOHCターボインタークーラー付きで210PS(後期)。GT系上位モデルに搭載。
RB20DET-R2.0L DOHCターボGTS-R専用。ギャレット製大型タービンと高出力カムで当時自主規制上限の210PSを発揮。グループAレース用ホモロゲ取得目的。

RB型エンジンの特徴

  1. ダイレクトイグニッションシステム(世界初)採用
    • ディストリビューターを廃し、点火精度向上。
  2. NICS(可変吸気長システム)
    • 回転数に応じて吸気管長を切替え、幅広いトルク特性を実現。
  3. 軽量化と高剛性を兼ね備えた鋳鉄ブロック+アルミヘッド構造。

RB型エンジンの他、CA型4気筒、直6ディーゼルエンジンがラインナップされております。こちらのエンジンは、当時の法人需要に向けたラインナップと思われます。

R31スカイラインのデザイン(発表当時)

R31スカイライン(1985〜1990年)のデザインは、当時の日産が掲げた「スカイラインの高級・先進化」と「精悍さの継承」の両立でした。
キーワードとしては「直線基調」「ハイテク感」「端正なプロポーション」が挙げられます。

基本デザインテーマ

  1. 直線基調の“シンプリシティ”
    • R30までのシャープなラインを引き継ぎつつ、さらに水平・垂直を強調した「スクエアフォルム」。
    • 当時のトレンドである直線的なサイドビューと薄いキャビンを採用。
  2. 空力と安全性の融合
    • フロントバンパーやグリル形状は角ばっているが、面のつなぎは滑らかにし、空力性能を向上(Cd値約0.36)。
  3. ハイテクイメージの表現
    • ヘッドライトやリアコンビランプに精密な造形を採用。
    • デジタルメーターやエアロパーツで電子制御装備との統一感を演出。

スカイラインらしさの継承

  1. サーフィンライン
    • サイド後方へ向けて上がる特徴的なキャラクターライン(R31ではより直線的に)。
  2. 4灯丸型テールランプ
    • スカイライン伝統の象徴を継承。ただしR31では横長ハウジングに埋め込む形で、近未来感を演出。
  3. FRロングノーズ・ショートデッキ
    • 直6エンジン搭載に伴うロングノーズを活かし、スポーティなシルエットを維持。

高級志向の強化

  • グリルやウインドウモールにメッキ加飾を追加し、上質感をアップ。
  • 室内は木目調パネルやファブリック質感向上、静粛性向上など、従来より上のクラス感を狙った仕上げ。

デザインの背景

  • 1980年代半ば、国内市場でトヨタ・マークII三兄弟やクラウンなどが直線基調&ハイテク志向を強めていたため、スカイラインもより「端正で高級感のあるフォルム」へシフト。
  • 同時に、電子制御サスペンションやHICASなどの先進機構を“見た目”でも表現するため、シンプルで精密な面構成を選択。

R31スカイラインのマイナーチェンジ

マイナーチェンジの主な内容と狙い

  1. デザイン刷新と高い先進性の訴求
    • フロント周りの意匠を2ドアクーペと統一化。4ドアセダン/ハードトップにもスポーティで精悍な顔つきを採用し、シリーズ全体のイメージ統一を図りました。
    • 量産車世界初のプロジェクターヘッドランプ(ロービームのみ) を4ドアモデルに導入し、未来感と先進技術のアピールを強化しました。
  2. 性能志向の明確化
    • RB20DETの最高出力が190PSへ向上(若干のパワーアップ)し、よりスポーティな走りを提案。
    • キャッチコピーに「性能はスポーツチューンド」「We, Motor Sports」を採用。“スポーツ性能”を前面に押し出す訴求へとシフトしました。
  3. モデルラインアップの整理と強化
    • 4ドアセダンにおける2000GTパサージュツインカム24/ターボのガソリン系上位モデルを廃止。その代わり、自然吸気SOHCエンジンに一本化することで、ラインナップの整理とコスト効率化を図りました。
    • 限定モデル「2ドアスポーツクーペ GTS-R」追加(800台)。グループAレースに向けたホモロゲーションモデルとして、大型ターボや専用インタークーラーなどを装備し、レースイメージの強化を意図。

マイナーチェンジ全体像

項目内容と意図
フロントデザインクーペ顔採用でシリーズのスポーティ性と統一感を強化
ヘッドランプ世界初のプロジェクターヘッドランプ導入による先進性訴求
エンジン性能出力向上で走りの魅力を高め、スポーツ性を明確化
キャッチコピー「性能はスポーツチューンド」など、メッセージをスポーティ志向に転換
モデル整理上位ガソリン系廃止で整理しつつ、GTS-R追加でモータースポーツ性を補完

R31スカイラインのマイナーチェンジでは、デビュー当初にあった「高級ハイソカー」路線から、一転してより走りの魅力を前面に押し出したスポーティ志向への転換といえます。
競合車種(例:トヨタ・ソアラ / マークⅡなど)の影響により、より尖った走りのイメージで訴える必要が高まったことも背景にあります。

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この記事を書いた人

テルのアバター テル 1967年生まれの自動車・モータースポーツ好き
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